エンジニアの転職活動で感じたことあれこれ

最近は殆どがフルリモート面接になっていて、本格的に就職・転職活動している人を対象に、就活の中で感じたことを書きます。エンジニア以外にも通じることは沢山あるかなと。

応募前

スカウトが来たら、カジュアル面談する前に突っ込んだ質問をしよう

面談する前に、仮に応募した場合、本選考に進める可能性があるかを確認するためにやります。「いいね!」感覚のスカウトが横行しているため、気になることは出来るだけ面談を設定する前に聞きます。例えば「年齢」「募集背景」「レジュメをどの程度見ているか」等、これは一例なので自分が気になることに絞って。CTO等責任者の肩書を使って人事がスカウトを送ってくることも多々あるため、募集職種の中の人でないと答えられない質問が良いです。返信内容や態度から企業の本気度を判断できることがあり、無駄なカジュアル面談を減らせます。

ぶっちゃけますが、スカウト送っておきながら、いざ面談申し込んだら「よくレジュメ(転職サイトに載せてるプロフィール)を読んだら思ってたのと違うから末筆ながら(略」と、応募してないのにカジュアル面談前にお祈りされたことがあります。

カジュアル面談より応募しよう

面談して「良いな」と思って応募したら書類選考落ちも多々あるので、時間の無駄です。さっさと応募してしまった方がいいですが(即応募して落ちるより、行きたいなと思ってから応募して落ちる方が心理的ストレスが高い。期待値の違い)必ずカジュアル面談を通したがる企業も多いです。相談次第なこともあるので聞いてみるとよい。

互いに持っている情報は非対称であり、互いに偏見がある

お互いに、最初から「こういう人だろう」「こういう企業だろう」から始まっている。持ち時間も非対称です。SPIで性格検査もありますが嘘付きが得をします。

最初の印象を変えることは多くの場合難しい

面接時にも言えますが、偏見の強い人ほど最初の印象を変えることは難しく、最初のアクション、アクションへのリアクション、面接時の最初の10分くらいで大体決まってます。まぁこれをどうするかという話でなく、他人の偏見は変えられないので、合う企業を探しましょう。数多くトライ。

応募中

カジュアル面談と本選考の面接官とのイニシアチブが取れていない

カジュアル面談と本選考の面接官が異なる場合。企業規模が大きくなるほど良くありますが、話す方は凄く面倒。カジュアル面談に責任者クラスが出てきても、応募したポジションの現場責任者とは異なることもあり。個人的に、カジュアル面談で会社紹介資料しか読まない人事担当者はいりません。

面接官は偏見の塊

  • 偉そうな態度
  • 辿ってきた人生の違いによる偏見
  • 社内平均年齢とのズレによる偏見
  • フリーランスに対する偏見
  • 偏見の強い面接官が出てきたら基本通らない
  • 偏見は「異質」なものを排除しようとする防衛行為
  • 早口で何を言っているのか分からない

コーポレートサイトで「うちは国際色あふれるスタッフに支えられています。誰でも、どんな人でも、ぜひ応募してください」と懐の広さを書いているご本人が面接官として登場し、偏見の塊のような偉そうな態度をされたときは笑いました。時々あります。具体的な企業名は伏せますが、クラウドソーシングサービスをやっている企業です。基本は生きてきた境遇の違いから来るものです。そして、偏見の強い面接官のする面接は、その偏見で見える側面の確からしさを確認するだけの面接になりがちです。他人の偏見は矯正できないので蹴りましょう。

早口で何を言っているのか分からない面接官もいます。もうこの時点で採用する気がありません。相手に分かるように伝える気がないからです。本人は面倒くさくなって早く切り上げたいのでしょう。そのような態度で社員に接する人間がいる職場だと表明しているようなものです。

なお面接官のことばかり書いてますが、応募者も企業に向ける偏見があります。

偏見の溝を埋めるための材料が出せるものは準備しておく

偏見の程度によっては、譲歩できるものがある場合があります。確実に「合わないな」と感じたのならともかく、想定できる範囲の質問で説得できそうな答えを出せる場合は用意しておきましょう。

面接する前に結果がほぼ決まっていることがある

面接官が乗り気でなくても、面接が実施されることがあります。責任者は乗り気じゃないけど周りに「とりあえず会うだけ会ってみよう、タダだし」と勧められたり、人事担当者の点数稼ぎだったり、面接回数を加算して採用活動している風を出すためだったり。色々と社内事情があります。この辺りの雰囲気は、隠すのが下手な面接官だと話しぶりで感じ取れます。

面接官も唯の人間

面接官は通常、職能に応じた主な仕事を持ち、隙間時間で面接をやっている人間です。面接が専門ではありません。ただ、あなたより社内事情に詳しく、社内の空気に染まっているだけのことです。

面接官を面接している

面接官があなたを測るように、あなたも面接官を通して測っています。

面接官も面接の上手下手があり、明確な指標がない

慣れていない面接官だと緊張してるかもしれません。それを感じ取った際には、楽に話せますよ。たまにこっちが空気を解してあげているような気になるときがあります。面接官って社内の評価基準はあるんでしょうか?その人が採用した人がどれだけ活躍したか?

面接官は社内を写す鏡

面接官は企業の顔です。偉そうだったり、偏見が強かったり、そういう体験をした応募者はその企業のサービスを利用しなくなります。人として魅力の感じられない人たちが提供するサービスを、使い続けたいと思うでしょうか? 応募者は、面接官を見ながら、その企業で働く際の雰囲気を想像しています。

コーポレートサイトより、話した時の印象が大事

企業はコーポレートサイトで、ワークライフバランスや笑顔に溢れた写真や武勇伝など応募したくなるような情報をちりばめ、「餌」となる採用情報を作っています。で、入社してみたら社内はボロボロだったこともあります。

コーポレートサイトは、企業のレジュメです。面接で、面接官が経歴書と応募者のズレが少ないかを確かめるように、応募者も面接官を通してコーポレートサイトとのズレが少ないかを確かめます。コーポレートサイトに近い印象を感じる面接官もいますし、反対のこともあります。

応募者には良く笑顔で話すことを求められますが、面接官も同じで、全く笑わない面接官には心を開きにくいです。 リモートだからこそ余計にです。構造化面接のような確度の高い手法を採用していても、効果は半減するでしょう。

都合の悪いことに向き合えるか

どんな企業にも、職場にも、都合のよくないことや困っていることがあります。だからこそ人を募集しているわけです。それらは、入社した際に必ず向き合うことになり、内容によっては退職理由にもなりえます。一つか二つ、自分が応募する職能に必ず有り勝ちな、現場で発生する可能性の高い問題について尋ねるべきです。その反応を見ます。

なぜなぜ分析は自分を丸裸にする

なぜなぜ分析 | Wikipedia 面接というのは、「なぜ」「なぜ」を突き詰めていくもので、普段見たくない自分を掘り起こされ、直視しないといけない状況に多々晒されます。そりゃ心理的負担が重なり折れる人も出てきます。就活中は、ストレス発散を強く意識して時間を取りましょう。個人的に良かったのは、週に1~2回は激しい運動(ジョギング等)、同じく1~2日は就活のことは考えない日を作ること。

中間管理職ほど、リスクのある人材を取りたがらないが丸投げできる人材を望む

仮に自身が管理職になれば分かるでしょうが、当然こうなりますよね。

自走能力や高いスキルなど多くを求めるが、情報を小出しにするか出さない面接官

「自走してほしい」はマネジメントする気がない場合によく使われる言葉だと考えていますが、応募者が安心して自分を開示するだけの材料や空気感を出さない面接官がたまにいます。どういう風に動いてほしいという具体性を全く与えずに、自走してほしいというのは唯の丸投げです。

「自走してほしい」ではなく「丸投げしたい」と言った方が明確に伝わります。「自走してほしい」はオブラートに包んだ企業側に都合の良い言葉です。

応募側は、どの程度自走すればいいのか分からないので困っています。

その他

収益基盤や業績は調べよう

業績は社内の雰囲気に影響し安心して働けるかに直結します。収益基盤、資金調達は出来ているかなど出来る範囲で調べること。面談で聞いてみてもいいです。

退職しました・入社しました系の記事は良いことしか書かれない

自分を売り込むための材料なので当然。私はこれを「キラキラ系の同質性」と呼んでいます。

おわりに

お互いに理解しあえることなどない。

面接で、企業は完璧に人を知ることはできないし、人も完璧に希望に沿う企業を選べることはない。

騙しあいや偏見が減り、良い企業と人材の出会いが増えますように。

追記: 自分が面接官になったら、同じように評価されるんだろうなと。面接って簡単じゃないでしょうね。 殆どの場合、面接官は面接の直前まで応募者のことを何も知らないのでしょう。 そりゃあ「あなたのことを端的に教えてください」って質問するわな。面接するまでに、できるだけ応募者のことを知る努力はしておこうかと。